忍者ブログ
主に小説中心のブログ。 更新は管理人の気まぐれで不定期。 青い鳥文庫や金の星社の本を好む。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「何も知らなかった頃」 短編小説

小さいころ、涙を流しながらお母さんは出て行った。
ごめんね、ただ、その言葉を置いて。

それからというもの、お父さんは気が狂ったように
毎日お金を使って、とうとう借金までするようになってしまった。
私を愛してくれなくなった。

でも、それは私が何も知らなかった頃。
ただ愛してもらいたくて、昔のお父さんに戻ってもらいたくて、
その一心でいい子にしてた。

だけど、ある日突然お父さんは死亡した。
酔って帰る途中、交通事故で。

今までの私は、無意味な行動だった。
どうせこんな結果になるのなら、もう少し悪い子でいてもよかったかもしれない。

親戚の手を借りてしたお葬式でも、私は泣かなかった。
違う、泣けなかった。

今までの自分が、馬鹿らしくて可笑しくて。

その思いだけが、私の中をぐるぐると廻った――――。

end

――――――――――――――――――――――――――――――――

何か続きが書けそうな感じですね。
書かないと思うけど←
PR

 「Hesitation」 短編小説

「ええ・・・分かっているわ。もう、私は迷わない。」

自分に言い聞かせるための電話。
用が終わると、私はさっさと電話を切った。

窓を開けると、すぐに冬の冷たい風が私の肌をさす。
はあ、とため息をつくと、その息は白く形を変えた。

(・・・そうよ、もう迷わない。もう、決めたことだもの)

いい加減、白黒はっきりつけておきたかった。
あのままじらし続ければ、変な誤解が生まれてしまう。

(・・・決めたんだから)

真っ暗な夜空を見ながら、決心を固めた。
ゆっくりと窓を閉めると、ベットへ倒れこむ。

「あー・・・、ラク・・・。」

ずっとこうしていたかった。
この気持ちは、あの時と同じだ。

ずっとあの地点にいれば、私自信も、気持ちが楽だった。
ずっとあのままで誤魔化し続ければいいと思った。

だけど、そんなこと、私が無理だったんだ。


いい加減、前に進もう。

立ち止まってばかりでは、何の進歩も無い。

歩き出そう、自分の足で。

 

――――――私はもう、迷わない。


end

――――――――――――――――――――――――――――

なんだかなぁ、よく分からなくてすいませんorz
こういうの書いてみたかったんです

そして何気にこのブログで書く第1回目の小説ですぱんぱかぱーん。(←
これからも頑張ります。じっちゃんの名にかけて!(おま

返信は追記からどうぞ!

Daily happiness 「短編小説」


「君を心から愛してる! だからプリント見せて!」

そう言うのは、私の好きな人――。中島 晦(なかじま かい)。
そして、私は川下 美穂(かわした みほ)。

「あほか。絶対見せん」

しらけながら、私は足を組んで読んでいる本をぺらっとめくった。
ほんとはにこにこして、「いいよ」とか言いたい。
でも、全然努力しようとしないコイツの姿勢は嫌いだ。

「美穂ー、いい加減見せてあげたらー?」

くすくすと笑いながら、隣で言う親友の羅希(らき)。

「やーだ。つかなんで毎回あたしなわけ?」

そこで初めて、ちらっと中島の顔を見た。
中島はいきなり顔を上げた。

「だって・・・川下ってこの教科得意じゃん?それに頼みやすいし・・・姉御肌だし」

「最後の関係ないし」

持っていた本で軽く中島の頭をたたくと、
私は席をたった。

「ああっ待ってよ姉さ―――んっ見捨てないで――!!」

すると、あたしはぴたっと止まって、
中島の方へ振り向いた。

「・・・じゃ、何かおごってもらおーかな」

すると、中島はみるみるうちに笑顔になった。

「まかせろ!何でも買ってやらぁ!」

にかっと笑ったその顔は明るくて、
何だかこっちまで笑顔になった。

「で、何おごりゃいーの?」

「んーとね、まず服でしょー、それから・・・」

「え・・・それほんとにおごるの?」

「あんたがいいって言ったんでしょ。責任もってよ」

「うーわ・・・きっつー・・・」

そう言いながら、財布の中をチェックする中島。
まさか、本気にするとは・・・。


・・・ま、いっか


難しい顔をしながら財布の中を覗き込む中島を見ながら、
私はくすっと微笑んだ――。



これが、あたしの日常。

これが、あたしの幸せ 。
「いつもの自分ってなんだろう。」 短編小説

初めて、夜中家を出た。

それは気まぐれの行動であって、今までの私ならできなかったこと。

親に怒られて叩かれても、別にいい。

今までの名誉なんて、どうでもいい。

何かもう、疲れたから。


朝、家に帰ると、案の定お母さんは私を怒った。
怒っているうちに泣き崩れて、私のことを悪く言った。

「こんな子じゃなかったのに」「いい子だったのに」「他の子とは違ったのに」

そんな言葉一つ一つが頭にきた。
これが、反抗期というものだろうか。

「お母さん」

私はゆっくりと、そして力を抜いて口を開いた。

「私、もう疲れた」

勉強して、いい成績とって、門限守って。
それはただ、親に気にいられたかっただけのこと。

その理由なら、もういらない。

いい加減、自由になりたかった。
縛り付けられている感じの圧迫感。
いつも求められているという、プレッシャー。

私は、服従するロボットでも、機械でもない。

ほんとに、今までの私ってなんだったんだろう。

結局こういう結果になるのなら、
初めからこうしていればよかった。
いい子でいる時間なんて、いらなかった。

むしろ、その方が親を傷つけけなくてよかったかもしれない。



ほんと。

ほんとうに。


「今までの私って・・・なんだろうね・・・?」


これからの私が、見えなくなった。――――――――
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
カウンター
最新コメント
[05/02 きむ]
[04/27 きむ]
[03/09 友。]
[03/09 友理]
[02/18 友理]
最新記事
(04/04)
(04/04)
(03/23)
(03/16)
(03/16)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
夏架
性別:
女性
趣味:
読書
自己紹介:
書くのも読むのも好きな文系女。
はまる本やゲームがあればとことん最後までやる奴。
バーコード
ブログ内検索
最古記事
Template by Crow's nest 忍者ブログ [PR]