忍者ブログ
主に小説中心のブログ。 更新は管理人の気まぐれで不定期。 青い鳥文庫や金の星社の本を好む。
[32]  [31]  [30]  [29]  [28]  [27]  [26]  [24]  [25]  [23]  [22
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

第3話 「何をしたんだろう」

 ――――”明日が楽しみね”――――

その言葉で、眠れなかった。
だけど、”明日”は私の心も知らずにやってくる。

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い

こみあげてくる怖さに、私は震えていた。
あと何歩か歩いたところに、時雨はいる。

何をされるか分からない
無視?暴力?暴言―――?

どれにしろ、昨日とは違う今日なんだ。

・・・怖くない、怖くない・・・!

休めば、休めばいい話じゃない。
あいつらだって、家までは来ないはず・・・!
それに学校に行ったって、紗稀を除いて椎名も真耶もいる。

ほら、怖くない。怖くないじゃん・・・!

私は勇気をふりしぼって立ち上がると、
いつもどおりをよそおって、一階に下りた。

何も知らない親。
事実をしれば、どうなるんだろう。
もう・・・普通の幸せな生活には戻れないのかな――――・・・。

お母さんが私に気づいてふりむく。
私は顔をパシパシと叩いて、普段の顔に戻した。

「あらおはよう。」

「・・・おはよう」

机にあったパンとココアをとると、顔も見ずに2階へ上がった。
・・・これ以上あそこにいると、また震えだしてしまいそうだから。

パンとココアをパソコン台に置くと、私は電源をおした。

・・・そうだよ。
私には、椿もいるじゃん。

元気、つけとかなきゃ。

私はいつものチャットに入る。

 ――――雛瀬さんが入室しました――――

椿:こん(12/28-06:42:13)

雛瀬:こん(12/28-06:42:25)


この現実で、私の居場所がなくなったって、
私にはパソコンがある。チャットがある。椿がいる。

私はまだ、生きている。


椿:あのさー(12/28-06:42:43)

雛瀬:ん(12/28-06:42:57)

椿:雛瀬って何処住み?(12/28-06:43:12)

雛瀬:とりあえず日本だよー。(12/28-06:43:25)


何かつっこんでくるかと思った。
でも椿の反応は、薄かった。


椿:ふーん・・・(12/28-06:43:44)

雛瀬:反応薄いな。何か言ってくると思ったのに。あ(12/28-06:44:24)

椿:ん(12/28-06:44:36)

雛瀬:落ち!ココア冷めるーっ(12/28-06:44:45)

椿:キーボードにぶっかけんなよー。じゃね ノシ(12/28-06:45:04)

雛瀬:ノシ!(12/287-06:45:16)
 
 ――――雛瀬さんが退室しました――――


そして私はゆっくりとココアを飲み干すと、
ブラウザを閉じた。

些細な会話で、少しだけ勇気を貰った気がした―――。


7時30分。

私は鏡の前で制服を正すと、
ゆっくりとドアノブをまわした。

光が部屋に差し込む。



さあ、行こう。
PR
Comment
name 
title 
color 
mail 
URL
comment 
pass    Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
コメントの修正にはpasswordが必要です。任意の英数字を入力して下さい。
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
カウンター
最新コメント
[05/02 きむ]
[04/27 きむ]
[03/09 友。]
[03/09 友理]
[02/18 友理]
最新記事
(04/04)
(04/04)
(03/23)
(03/16)
(03/16)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
夏架
性別:
女性
趣味:
読書
自己紹介:
書くのも読むのも好きな文系女。
はまる本やゲームがあればとことん最後までやる奴。
バーコード
ブログ内検索
最古記事
Template by Crow's nest 忍者ブログ [PR]