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主に小説中心のブログ。 更新は管理人の気まぐれで不定期。 青い鳥文庫や金の星社の本を好む。
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第6話「手を組む」

「・・・勘がいいんだね」

日向はそう言って、壁によたれかかった。

「そうだよ。その能力を見るためだけに、君をよんだわけじゃない。・・・どう、鈴城さん?僕と手を組んでみない?」

そう言って、にやりと笑った。

「手を組む・・・?」

疑問系で答える私に、日向は言った。

「そう。君と手を組めば、なんだってできるよ。まず―――。君を無視してきたりした奴を、少しこらしめてやらない?僕と一緒にね。」

そう言った日向は、悪魔のように見えた。
「こらしめる」―――そんな弱い言葉じゃない、恐ろしい言葉に聞こえた。

「・・・どうして?そんなこと、1人でもできるでしょう」

「1人でやったら、すぐに先生に言われて少年の刑務所いきだよ。でも2人なら、恐ろしさは倍。先生に言ったらどんなことになるかだって、分かるはずだよ」

落ち着いた表情で言う日向に、私は寒気がした。
それでも、負けないくらいの強気な態度で私は言った。

「・・・いや。ばっかじゃないの?そんなことしてなんになるのよ。あんたは、苦しむ人の表情が好きなわけ?・・・それに、私はまわりの人のことなんて気にしてないし、もし私が普通の人間で、こんな能力をもつ奴がいたら・・・。みんなと同じようにしてると思う。だからどうでもいいの」

私がそう言うと、日向はおどろいたような表情になった。

「・・・驚いたな。君は、僕の考えに賛成すると思ったんだけど。」

「見かけで判断しないでほしいわ。用はそれだけでしょ?かえるわ」

そう言って、階段をおりようとする私を、何故か日向はとめた。

「・・・でも、その理由は違うと思うな」

「・・・なにがよ」

日向は階段の壁にもたれかかっていった。

「・・・どうでもいいってことはないんでしょ?きっと君は、寂しいはずだよ」

 
   ――――・・・ 寂しい ・・・――――

小さいころから、その言葉には反応してしまう。
その意味は、今の私も昔の私も・・・―――変わらなかった。
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